静かな春のひとときを。

渉成園

京都駅から歩いて行ける静かな桜の名所を訪れよう!

静かな春のひとときを。

渉成園

京都駅から歩いて行ける静かな桜の名所を訪れよう!

気付けば日差しが強くなって、少し歩くだけで汗ばむ季節になりましたね。
こんな時期になると、あのやさしい桜の季節がふっと恋しくなります!
 
京都には清水寺や東寺、平野神社など、桜の名所がたくさんあります。
琴子さんはこれまで随心院原谷苑哲学の道平安神宮でも桜を楽しんでいますね!
春の観光シーズンになると、紅葉の時期に負けないくらい、たくさんの人でにぎわいますよね。
でも、その分バスや地下鉄が混み合って、ちょっと疲れてしまう……そんなふうに感じることもあるのではないでしょうか。
 
そんなとき、足を向けたくなるのが、渉成園
最近琴子さんも訪れたようです。
「夢と知りせば 4-1 花の下にて『渉成園』」でその様子が見られますよ!
 
京都駅からほんの数分。
けれど門をくぐれば、そこはまるで別の時間が流れているような静けさがあります。

○渉成園

渉成園は、東本願寺の境内から少し離れた、飛地境内地(とびちけいだいち)にある庭園です。
1641年に徳川家光がこの土地を寄進したことから始まり、名庭師・石川丈山(いしかわじょうざん)が庭を手がけました。
 
渉成園」という名は、中国の詩人である陶淵明(とうえんめい)の『帰去来辞(ききょらいのじ)』にある一節「園日渉而以成趣(園、日に渉って以って趣を成す)」に由来しています。
日々園を歩きながら、その美しさを味わう、といった意味がこめられているんです。
 
また、園のまわりには枳殻(からたち)という木が植えられていたことから、枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています。

○長く桜を楽しめる

渉成園のいちばんの魅力は、桜が長く楽しめること!
早咲きの桜から遅咲きのものまで、種類がとても豊富です。
 
ソメイヨシノにヤマザクラ、ベニシダレ、シュゼンジカンザクラ、そしてボタンザクラ。
それぞれが少しずつ時期をずらして咲いていくので、3月の中旬から4月中旬まで、まるで桜がリレーするように咲き継いでいきます。
 
街中でこんなふうに長く桜を楽しめる場所って、実はけっこう珍しいんですよ!

○桜だけじゃない、庭の楽しみ

園内には、木や石、建物が絶妙に配置されています。
池があったり、石橋があったり、小さな建物があったりと、見どころがたくさん!
こういう風景の中を歩いているだけで心がほっとします。
 
江戸時代の文人・頼山陽が、その美しさに感動して「渉成園十三景」と名づけたほどなんですよ!
園内の建物はすべて明治以降に再興されたものですが、庭園については、ほぼ当初の作庭状態のまま現存しています。
 
「十三景」にちなんで「渉成園十三花」とも呼ばれるさまざまな花が咲きます!
春は桜以外にも、ツバキ、枳殻、ツツジ、ホオノキ、キショウブなど、色とりどりの花が咲き誇ります。

新しい生活が始まったり、環境が変わったりする春は、嬉しさと不安が入り混じる季節。
だからこそ、一度立ち止まって、自分の気持ちをそっと見つめ直す時間が必要なのかもしれません。
 
桜の花に心を重ねながら、少しだけ季節を感じてみる。
そんな春の過ごし方も、いいものですよ!
 
桜といえば、日本人にとって特別な花ですよね。
昔から和歌に詠まれ、「伊勢物語」や「源氏物語」にも、桜を愛でる様子がたくさん描かれています。
散りゆくからこそ美しい――その感覚は、渉成園の静けさの中でこそ、より深く感じられるような気がします。
 
次の春は渉成園に立ち寄ってみてはいかがでしょう?
 
こんこん!

名称 渉成園(しょうせいえん)
住所 京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町
アクセス JR京都駅より徒歩10分
地下鉄・五条駅より徒歩7分
市バス・烏丸七条より徒歩5分
TEL 075−371−9210
営業時間 【3月~10月】9:00~17:00(受付終了16:30)
【11月~2月】9:00~16:00(受付終了15:30)
庭園維持寄付金 大人 700円以上、中高生 300円以上、小学生以下 無料
URL https://www.higashihonganji.or.jp/about/guide/shoseien/

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